キャリッジリターン的キャリアの考え方

下期から私も1事業部を見ることとなり10月に入り社員の中間考課を対面,オンラインを交えて実施している。
その中で,この先自分はこの会社で何をしていけばよいのか迷っているといった旨の相談を受けた。
優秀で成果物の精度も高く社内外の信頼も厚いAさんから出た言葉に,これは筆を執らねばと本記事を書くことを決めた。

当社のフィロソフィーには”ありたい自分を言いふらす”,”明日はどう変わりたいかを考える”,といったキャリアパスに関する物がある。
https://www.cr-l.jp/wp/philosophy

これらの具体的な実践の1つにDo(すること)とBe(在り方)によるキャリアパスの形成がある。

Step1.
キャリアスタート時はとにかくDoする。スキルや経験の高い人を支援し,高い評価をえる成果物の生産方法を学ぶ。そのための自己研鑽を行い,よいフィードバックを得る関係を構築する。

Step2.
とにかくその分野で必要なことをDoする。ソフトウェア開発ならば,要件定義,設計,実装,品質管理,プロジェクトマネジメント,顧客対応,チーム・メンバの教育,ファイナンス,,,etc…

Step3.
Step1.とStep2.のDoは信頼として積み上がり他者から自分へのBeが形成される。●●さんが入ってくれればもう大丈夫だ。●●さんにアドバイスをもらおう。●●エバンジェリスト。

Step4.
Beは貴方の裁量と働き方の幅を格段に大きくする。会社にとって貴方は不可欠だからだ。Beを活用し今まで自分でやってきたDoを後輩や部下にやってもらい,更に自分らしいBeが望めるのならばそのためのDoを行う。(4.は後輩や部下の1. であり,貴方の新しい1.でもある。)

この4ステップは指数関数的に貴方のBeを形成していく。なぜならば多重ループになっているからだ。

先程のAさんはStep3の状態にありStep4のパスを模索しているようだった。
後輩がAさんのことを信頼し一緒に仕事をするのが毎日楽しいと言っていたことを伝えると,Step4が見えてきたようであった。

感覚的では有るが18〜22歳でキャリアをスタートした場合,2〜3年でStep2.に,その後7〜10年程度でStep3に到達するのが年齢との兼ね合いで良いのではないかと思う。
また,これはあくまで1つのモデルで,もちろんStep3の状態でさらに技を深めDoし続けるキャリアもあるし,Step1.で爆発的な成功がなされることも有る。

この記事がこれからキャリアをスタートさせる人,パスに悩んでいる人の一助になれば幸いである。

プロフィール

福田 信也
福田 信也株式会社キャリッジリターン 代表取締役
現場営業に特化し、主に大手直請け案件を手掛けるソフトウェア会社を経営する。5年間のサラリーマン技術者を経験した後、5人で独立。技術者時代にあたためてきた経営アイデアを試行錯誤実践し、5次請けから始まった取引は3年後に最初の直請けに実を結ぶ。自らの経験をもとにみなさんに「腕一本で食っていける技術者」になってもらうよう日々奮闘中。