「2台目の」タブレット

2014年にIT技術の研究会に参加した時のことです。

研究会では1年間、テーマに沿った研究を行い最後にその成果を発表することになっています。
僕たちは「10分で出来るタブレットアプリケーション」をテーマに研究し、発表には資料解説以外に(実際に10分で作った)アプリデモンストレーションを企画しました。
「10分で」なんて、今考えてもかなり『楽観的に構想』したものだと思っています(笑)
それでも『楽観的に実行』すること1年間、資料もタブレットアプリも満足いくものが完成し、強い自信をもって1年の集大成である発表会を迎えることが出来ました。

発表は順調に進んでいよいよデモのパート。映像元をパソコンからタブレットに差し替えた直後、それは起こりました。
直前まで動いていたタブレットが動かなくなったのです。

操作担当は真っ青になって大慌て。

自分もかなり驚きました。
が、落ち着いて「2台目の」タブレットへの切り替えを指示しました。
『悲観的に計画』して、予備機を準備していたのです。

発表資料は主催側が用意するPCに予め入れて貰えるのですが、アプリを入れたタブレットは発表するグループが持ち込む必要がありました。
そこで不測の事態を考慮したのですが、まさか本当に発表の最中に壊れるとは夢にも思っていませんでした。
思ってはいなかったものの予備機のおかげか「まあ、こういうこともあるよね」くらいの冷静さで対応できました。
そして冷静に対処できたおかげか、聴取側にも「映像の切り替えに手間取っている」と思われる程度で無事にデモを終了することが出来ました。

最終的には惜しくも賞こそ逃しましたが、全体でみても充分優秀と言えるだけの評価点を頂くことが出来ました。
今振り返っても研究会にいた1年ほど「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する。」を実感したことはないかもしれません。

プロフィール

茂木 真澄
茂木 真澄
役者として活動していたが、唯一の肉親である祖母の介護が始まった事をきっかけに廃業。同時期に挑戦する事に意欲があるメンバーを集めていた福田社長に声をかけられ、全く知識のないIT業界へ踏み込む。テスターとしてスタートし、その後、様々なIT環境での業務や現場を渡り歩いた後、正式にキャリッジリターンの社員となる。
多数の開発案件に関わり、SE技術や顧客との打ちあわせ、商談など受託ソフトウェア会社の社員としてキャリアを積む。
最近では運用支援業務で常駐している顧客から運用の改善、効率化など支援以外の相談をされることも多く、
顧客の悩みに対応した提案をして新規に案件を受注した上、開発までこなしている頼もしい社員である。